警備を始めた人、高齢者警備員向け 安全マニュアルの必要性

警備BLOG

今年の3月に厚生労働省は、労働災害が増加傾向にある警備業における未熟練労働者の安全衛生教育用マニュアルを作成されました。

警備業を始めたばかりの初心者の方が陥りやすい労働災害被災を1号業務(巡回警備など)や2号業務(交通誘導警備など)といった業務区分ごとに発生しやすい災害類型を示したうえで、解説してくれています。

今回は、その安全衛生教育用マニュアルのご紹介です。

未熟練労働者の安全衛⽣教育マニュアル

経験年数の少ない新米警備員にとって、何が危険で、どこに注意を払えばいいのかよくわかっていません。

新任教育や現任教育、日々のOJTなどから先輩警備員から指導をされていても、頭では理解していても身体で理解しておらず、労働災害に遭う可能性が高くなってしまいます。

どんな職業で年数を重ねることで、無駄な動きがなくなり、効率よく仕事を進めることが出来ますが、最初のうちはミスも経験の内として、やってしまった失敗を教訓として次に繋げていきます。

しかし、警備業はお客様の生命、身体、財産を守ると同時に、自分の身もしっかりと守って行かなければ大きな怪我や事故につながりかねない職業です。

厚生労働省が作成したマニュアルを参考に日々の業務を安全に行っていきたいですね。

第1章 未熟練労働者に対する安全衛生教育

  • 休業 4 日以上の労働災害は、ここ 5 年で⾒ると増加傾向である。

  • 死亡災害については、年間 10 数名の件数で推移している。

  • 平成 30 年度の被災警備員数は、1669 名に上るが、事故の型別で⾒ると、「転倒」と「交通事故」が多く、過半数を占めている。また「熱中症」は、H29 年度の 69 人と比較して急増している。

  • 平成 30 年度の被災警備員において、死亡者 16 名のうち 8 名は「交通事故」が原因である。

僕たち機械警備に関係する事故の多くが交通事故や墜落・転落です。

コントロールセンターからの指示での出動で、機動車両の運転時の事故は特に多いですね。

引用資料:未熟練労働者の安全衛⽣教育マニュアル

所長
所長

僕の経験では、こちらがいくら気を付けて運転していても、オカマなどの追突事故や、深夜帯の出動では居眠り運転での信号無視車両との事故なども経験しました。

勤続年数 3 年未満の未熟練労働者は労働災害に遭いやすい

勤続年数 3 年未満の未熟練労働者の労働災害が最も多く、被災警備員数 1669 名の約
3 分の 1 を占めていおり、特に60歳から69歳の高齢者の警備員の労働災害が最も多いとされています。

定年後や早期退職されて、警備業に従事される高齢者の方は、経験年数もあさく特に注意しなければなりませんね。

「1号業務」と「2号業務」での労働災害が多い

警備業務のなかでも、「2 号業務」での労働災害が最も多く、「1 号業務」と併せて全体の 77%を占めています。

被災警備員の業務内容のなかでは、「⾞両誘導中」、「移動中」、「巡回中」が全体の過半数を占めています。

⾞両誘導は機械警備ではあまり行う事はありませんが、移動や巡回はまさに機械警備の主な業務になります。


我々「機械警備業務」では、「移動中」の「交通事故」が最も多く、次いで「緊急対処中」の「プロパー事故」、「移動中」の「転倒」が多い。となっています。

所長
所長

交通事故は死亡災害につながるおそれが高いので特に注意しておきましょう!!

安全衛⽣教育で労働災害を防ぐ

事故を未然に防ぐためには教育欠かせません。

これは、新人に限らずベテラン警備員にとっても同じで、現任教育など以外でも、常日頃から同じことを言って聞かせておく必要があると思います。

所長
所長

いっつも同じことばかり伝えることは無駄に思えるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

人はすぐに忘れてしまうし、慣れによる気の緩みが生まれちゃうので、事あるごとに言い続けましょう!!

未熟練労働者に対する安全衛⽣教育の流れ

マニュアルでは、教育時間の目安は1時間程度とされています。

1 職場には様々な危険があることを理解させる
2 「かもしれない」で危険の意識をもたせる
3 労働災害防止の基本を教える(基本的なポイント)
【安全衛⽣のルールや活動の意義を理解させる】
(1)安全な作業は正しい服装と姿勢、報告・連絡・相談(ホウ・レン・ソウ)から
(2)警備指令書の確認と順守
(3)危険予知訓練(KYT)の実践
(4)ヒヤリ・ハットの活用
(5)4S・5S の励⾏
(6)リスクアセスメントの実施
4 労働災害防止の基本を教える(事故の型ごとのポイント)
【安全な作業をみんなで実施し職場を安全に】
(1)「転倒」災害防止のポイント
(2)「交通事故」災害防止のポイント
(3)「腰痛症(無理な姿勢・動作の反動)」災害防止のポイント
(4)「熱中症」災害防止のポイント
(5)「墜落・転落」災害防止のポイント
(6)「はさまれ」災害防止のポイント
(7)「プロパー事故」防止のポイント
5 労働災害防止の基本を教える(緊急時のポイント)
【異常事態や労働災害が発⽣したときの対応を⾝につける】
(1)異常事態発⽣時の対応
(2)労働災害発⽣時の対応

引用資料:未熟練労働者の安全衛⽣教育マニュアル

危険予知訓練(KYT)の実践とは?

危険予知訓練は、作業や職場にひそむ危険性や有害性等の危険要因を発見し解決する能力を高める手法です。ローマ字のKYTは、危険のK、予知のY、訓練(トレーニング)のTをとったものです。

危険予知訓練は、もともと住友金属工業で開発されたもので、中央労働災害防止協会が職場のさまざまな問題を解決するための手法である問題解決4ラウンド法と結びつけ、さらにその後、旧国鉄の伝統な安全確認手法である指差し呼称を組み合わせた「KYT4ラウンド法」としたものが標準とされています。

厚生労働省

ヒヤリ・ハットの活用

ヒヤリ・ハットとは、結果として重大な災害や事故にはならなかったが、事故に直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見をいう。
文字通り、「突発的な事象やミスにヒヤリをしたり、ハッとしたりするもの」をヒヤリ・ハットと言います。

一件の重大なトラブル・災害の裏には、29件の軽微なミス、そして300件のヒヤリ・ハットがあるとされる。ハインリッヒの法則と呼ばれています。

機械警備で起こりやすい事故は下記のとおりです。

事故の型 転倒 交通事故 腰痛症 熱中症 墜落・転落 はさまれ プロパー事故
機械警備

◎︓20%以上、〇︓5%以上 20%未満、△︓5%未満

転落や転倒は少なく感じますが、これらも気を付けなければなりません。

機械警備を行っている会社ごとに違うと思いますが、警備機器の簡単な点検や調整、マンションなどの設備の警報対処などで脚立を使用することも多いと思います。

しかも、機動員は一人での対処が多いと思われるので、脚立の使用は十分に弔意しないと、転落や転倒することもあります。

所長
所長

僕の同僚も以前、脚立を使用し、足を踏み外して脚立から飛び降りる形になり、踵を強打し骨折したことがありました💦

高年齢労働者の安全な作業のために

機械警備の従事者も年々高齢化が進んでいるように感じます。

大手の警備会社はともかく、いわゆる中堅の警備会社にとって人で不足は深刻な問題だと思います。

機械警備員も若手が入社してくることがあまりなく、入社してもすぐにやめてしまうの多いのではないでしょうか?

ベテランの警備員さんが辞めずに60歳を超えてくる場合も多いと思うし、今は65歳まで機動員とし雇用される企業も少ないかもしれません。

しかし、50歳ころかだんだん目も見えづらくなってくる人も出てきますし、60を超えてくるとさらに筋⼒の低下 ・ 視⼒の低下 ・ 聴⼒の低下 ・ 俊敏性の低下といろんなものが低下してきます。

つらい事ですが年には勝てません・・・

なので、高齢になってきた警備員さんには若い警備員以上に気を付けないといけない点があります。

高年齢労働者の課題

  • 身体機能の低下

    ・ 筋⼒の低下 ・ 視⼒の低下 ・ 聴⼒の低下 ・ 俊敏性の低下

  • 知識と経験による判断

    ・ 過去の経験を過信 ・ ルールを軽視する場合も

  • 新しいものへの対応が困難

    ・ 集中⼒ ・ 記憶⼒の衰え ・ 従来(過去)のものへの依存

  • 若年者とのコミュニケーションが不得意

    ・ 若い人に質問しづらい

高年齢労働者のへの対策

  • 加齢による身体機能の低下を自覚させること

    ・ 目、反射神経、判断などの機能


  • 作業環境の整備

    ・ 重量物の取扱い時は補助具を使用する、または複数人で作業

    ・ 不安定な姿勢での作業の回避・ 階段や傾斜に手すりや滑り止めの設置、段差の撤去(バリアフリー化)・表示

    ・ 照明の改善、掲示物など文字の拡大

    ・ 警告音の改善、聴覚だけでなく視覚でも情報伝達する

    ・ 作業速度の調整、瞬時の判断・反応が必要な作業の回避 など


  • 作業環境による配慮

    ・ 機能の低下をカバーする安全な作業方法の確⽴

    ・ 経験を活かせる配置

    ・ 作業における役割分担の明確化

    ・ ⼗分な教育と効果測定(理解の度合いの確認)


  • ルール順守の徹底

    ・ ルールを守る理由とルールを守らないと何が起こるかの教育(know-why、know-what 教育)

    ・ 若年者の⾒本となるように指導

  • コミュニケーションの促進

    ・ 管理者等による積極的にコミュニケーション

    ・ ベテランの経験や作業のコツの伝承促進(若年者に学ぶように促す)
所長
所長

上にあるような対策を行う事は業務の特性上、むずかしいかもしれませんが、できる限りの努力が必要ですね。

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